1年延期で芸能人ランナーが続々と辞退も…「東京五輪」開催に向けての聖火リレーがスタート!

東京五輪開催の是非が二分している。
独米のPRコンサルティング会社「Kekst―CNC」が日米欧6ヵ国で実施した新型コロナウイルス調査によると、4ヶ月後に迫った東京五輪の開催を「反対」する回答が56%もあったと言うのである。しかも、反対の回答が最も多かったのは開催国・日本で56%。続いて英国55%、ドイツ52%、スウェーデン46%、フランス37%。
因みに、米国は賛否が33%だったと言う。
コロナ禍で、もはや開催の可否はワクチン接種に頼る部分が多分にあると思われるが、その接種に対しても日本は「する」「したい」と回答した人が64%と低い水準だ。
結局は、どんなに対策しようとも五輪開催によって感染拡大しかねないと不安を抱く国民が多い。しかし、政府、東京都、大会組織委員会は、あくまで開催を優先させているのが現在の状況だ。
そう言った中で、東京五輪開催の、いわば〝前哨戦〟とも言うべきイベントとなるのが3月25日にスタートする〝聖火リレー〟だ。週刊誌記者が言う。
「現在発令中の緊急事態宣言は中途半端に21日まで延ばしていましたが、今になってみたら単に聖火リレーまでに感染拡大を抑え込もうとしただけの策だったように思います。しかし、感染者は下げ止まり気味で当初の思惑通りには行かず、何だかんだと理由をつけて解除する格好となりました」。
ところが、その東京五輪への機運を高めるはずだった聖火リレーに対して思わぬケチがつき始めている。
「各地で走ることになっていたタレントなど著名人ランナーが続々と辞退を申し出ているんです」(芸能関係者)

○田村淳は森喜朗元会長の発言に抗議しての辞退

ざっと主な辞退者を挙げると、愛知県犬山市を走る予定だったロンドンブーツ1号2号の田村淳、福井県内を走る予定だった演歌歌手の五木ひろし、福島市南相馬市を走る予定だった俳優の斉藤工。その他にも女優の常盤貴子(石川県七尾市)、シンガーソングライターの阿部真央(大分市内)、女優の玉城ティナ(沖縄県浦添市)、さらには福島県内を走る予定だった人気アイドル・グループのTOKIO(南相馬市)や窪田正孝(福島市)など次々に辞退を明らかにした。
「辞退と言っても、その理由、事情は様々です。田村淳に関しては、五輪組織委員会の会長だった森喜朗氏が『有名人は田んぼを走ればいい』などと発言をしたことに対して抗議の意味を込めての辞退だったこともあって、やや際立っていましたが、田村以外は、基本的に聖火リレーが1年延期されたことによってスケジュールが合わなくなったことを理由に挙げています。ですからメディアの伝え方に問題があるのです。確かに森前会長の女性蔑視発言が大きな問題になりましたが、必ずしも、不適切な発言を問題にして辞退というわけではないのです。ま、メディア的にはインパクト的にも、森氏の発言に関連づけたかったのでしょうけど、いくらタイミングが合ったとは言え全てを結びつけてしまうのは、さすがに無理がありますよ」(プロダクション幹部)。

       ○常盤貴子など…リレー日程の延期で辞退者続出

実際、常盤貴子は昨年9月に新しいリレー日程が発表された段階で辞退の申し出をしたと言うし、それはTOKIOや窪田正孝らも同じで「昨年の暮れから辞退を申し入れていた」。結局は、その申し入れを受けていた各自治体が発表を控えていたこともあって、今回の問題に発展したようだ。
「辞退者が一気に集中したのは、どうやら五輪の大会組織委員会から公表については2月26日以降にするようにと通達があったそうですが、そもそも国から感染予防対策のガイドラインが示されたのも2月ですからね。しかも、ランナーには2週間前から外出を避けるなどの制約、それに体調管理が求められていました。スケジュール調整が困難なタレントにそんな対応を求めること自体に無理を感じましたね」(芸能関係者)
しかし、そう言った中でもTOKIOの辞退は、やはりインパクトの大きさが違っていた。前出の芸能関係者が言う。
「TOKIOの辞退については昨年12月にジャニーズ事務所側から申し入れがあったようですが、彼らの場合は、他のランナーとは立場が全く違いますからね。東日本大震災以降、長年に亘って福島に通い続け、県の物産などをPRするなど福島県民にとっては馴染みが深かったわけですからね、そう言った意味でも今回の辞退には衝撃も大きく、県民の間からは残念がる声が多かったことは確かです。とにかく建前上でも今回の東京五輪は〝復興五輪〟とも言っているわけですから、辞退の理由はどうであれ、無理してでもスケジュールの調整が出来なかったのかという思いは残りますね」。
しかし、その一方では、島根県の丸山達也知事のように、
  「我慢してオリンピックを受け入れるのが国民の声とは県民に言えない」
などと、聖火リレーそのものを県として中止することを表明したが、この意見には同調する知事もいた。

    ○辞退者の中で走りたい著名人が名乗り上げる

だが、辞退者がいる一方で走りたい人も多い。
被災地である福島県の聖火ランナーは25日から27日の3日間に26市町村265区間(51・71キロ)を巡る予定になっているが、第一走者を「なでしこジャパン」の澤穂希が務めることになった。その出発式は福島のサッカー施設「Jヴィレッジ」で行われる。
その他にも著名人のランナーとして音楽ユニット「Foorin(フーリン)」のひゅうが相馬市、女優の菊池桃子が福島市を、さらに箱根駅伝で「山の神」と呼ばれた柏原竜二選手と男子マラソンの藤田敦史選手が白河市。また、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代がいわき市、元バレーボール選手の大林素子が会津若松市を走行することになった。
その他でも、お笑いコンビのオリエンタルラジオの藤森慎吾は、自身のツイッターで「藤森、地元長野で聖火ランナーやらせていただきます」と呟き、さらに「諏訪市の田んぼ道を走れるといいな!」と、田村の辞退をイヤミで返していた。
やはりお笑いコンビ、ロッチの中岡創一の場合である。インスタグラムで「聖火ランナーのキャンセルでお困りの皆さん 中岡仕上がっています」なんて聖火ランナーの空き枠に立候補していた。
それだけではない。石川県では常盤貴子の代わりとして6月1日に女優の若村麻由美が七尾市の最終区間を務めることも決まった。このように続々と〝代役〟は決まっているのだが…。

    ○タレントや著名人に頼る盛り上げ方に問題が…

「結局は、タレントなど著名人を起用することばかり考えていること自体が問題なんですよ。確かに東京五輪を盛り上げたい気持ちも分からないわけではないのですが、コロナ禍での聖火リレーになるわけですから、その時点で人寄せパンダ的な著名人というのは極力控えるべきなのです。そもそも一般市民の間では走りたい人が多いはずですからね」(週刊誌の芸能記者)。
それにしても、緊急事態宣言解除を目前にした17日の東京都の感染者は409人だった。また、宮城県では過去最高の107人となった。
辞退者続出だけなら、その一方で走りたい人も多い聖火リレーだが、感染拡大は開催に向けての本質的な問題である。これまでを振り返っても何かとトラブル続きの東京五輪だけに、今回は無事に聖火リレーが完走出来るのかが気になるばかりだ。