「ようやくお金を取って観せられるアーティストに成長した」。デビュー2年目の菅原紗由理のライブ!!

新人アーティストとしては“注目株”の1人に挙げられるだろう菅原紗由理のライブ「−The One」を観に、東京・渋谷のCLUB QUATTROに行った。「普通に入れるだろう…」と思って、開演過ぎに行ったら、これが甘かった。会場は、足の踏み場もないどころか、溢れ返っていた。ドアを開けたら、体格のいいニイちゃんが「まさか、入るのかよ!!」みたいな目をして睨んできた。さすがに、この時は入るのは遠慮してエントランスでモニターを観ることに(後半は、無理して会場に入ったが…)。おそらく会場には700人ぐらいが詰まっていた感じだ。
菅原は、昨年の春にミニ・アルバム「キミに贈る歌」でデビューした。吉田拓郎や井上陽水、長渕剛などを世に送り出してきたフォーライフミュージックの後藤由多加社長が自ら陣頭指揮を執って発掘・育成した新人で、当時、後藤社長は「100年に1人逸材」と言い切っていた。
菅原は、フォーライフミュージックの08年オーディションでグランプリを獲得した。秋田県横手市の出身で当時、高校を卒業したばかりだった。透明感あふれたボーカルが大きな魅力となってきた。後藤社長は「80年代の杏里、90年代の今井美樹、そして00年代の最後は菅原紗由理で勝負していきたい」などと意気込んでいたが、確かに、大物の素質は十分にあった。
当時、“着うたの女王”として人気だった西野カナとも競っていて、菅原のタイトル曲の「キミに贈る歌」は、「着うた」などの音楽配信でトップを突っ走った。特に、ソニーミュージック系の音楽配信「モーラ」では独走状態だった。サウンド・プロデューサーには中島美嘉や松たか子などを手がけてきたSin(橋本しん)を抜擢、18歳の等身大の菅原を最大限にアピールしていた点もあってか、アーティストのタイプとしては中島美嘉、加藤ミリヤ、青山テルマ、絢香の路線のシンガーだった。
デビューして半年後には、人気ゲームソフト「ファイナルファンタジー(サーティーン)」のテーマ曲を歌った。同ゲームのテーマ曲は歴代、アンジェラ・アキや倖田來未が起用されてきた。菅原のようにデビュー間もない新人アーティストが起用されるのは初めてのことだったという。
そして、デビュー2年目の今年は、フジテレビ系ドラマ「素直になれなくて」の挿入歌(同タイトル曲)にも起用された。起用されたばかりか、同ドラマには女優としても出演していた。ドラマ自体は視聴率は伸び悩んだが、菅原の注目度はアップしたようだった。で、現在は、新曲の「『好き』という言葉」が、テレビ朝日系「科捜研の女」の主題歌に起用されている。テレビ朝日のドラマは基本的にタイアップになってもヒットが期待できないが、とりあえずは販促展開には役立つか?
まあ、簡単に説明すると、そういったことだが、彼女の最初のライブは昨年の秋――11月6日に東京・代官山のUNITでやった。そして、今年に入って6月25日には東京・原宿のアストロホールでやっているが、この時は基本的にCD購入者を中心とした招待だった。そういった意味で、3回度目の正直じゃないが、3回目の今回が初めての有料コンサートだった。
しかし、前回の2回は招待と言うこともあってか女性が目立ったが、今回は男性やカップルが目立った。しかも10代後半から20代の男女が中心で、これはファン層が広がったと見るべきか?彼女の場合は、ボーカル力が優れているだけに、やはりライブをやっていても安定感がある。しかも、基本的なことだが言葉が伝わりやすい。バラード曲を歌えるアーティストだけに今後、さらにファン層は拡大するはずだ。今回はアンコールも含め18曲を歌い切った。3回目のライブだが度胸があることもいい。音楽関係の業界人だったら一度見ておいて損はないアーティストだと思う。後藤社長は「ようやく、お金を取ってライブを観せられるだけのアーティストに成長してくれた」と嬉しそうだった。
CDの売り上げが低迷する時代、菅原のような新人アーティストが大きな起爆剤となると思うのだが…。

11月6日には東邦大学、7日には北里大学で学園祭ライブに出演する。