英EMIの迷走!! 「ヒット曲が分る耳なんていらない。どうやったら儲かるかが分るかだ」

つい先日、EMIミュージック・ジャパンの親会社である英EMIミュージックが、所有している「アビイ・ロード・スタジオ」の売却先を探していることが報じられた。このスタジオは、ザ・ビートルズのレコーディング・スタジオとして知られている。業界内では「ついに、そこまで…」なんて言われたが、その後、英国発のロイター電は、噂されている「アビイ・ロード・スタジオ」について「売却せずに保有したい考えだ」と報じた。
一体、どうなっているのか? そこで、この辺の事情について、業界でも洋楽に詳しい前ポニーキャニオン洋楽部長だった高橋裕二さんが自身のブログ「洋楽天国」(http://ameblo.jp/yogaku-tengoku/)の中で、記しているので、その高橋さんのブログを今回はパクルことにした。

《(ロイター記者がEMIの関係者に聞いた話として)資金が必要な為にアビイ・ロード・スタジオを売るのに幾つかの相手先と交渉はしているが、別に急ぐものではないそうだ。
2007年に投資会社のテラ・ファーマがEMIを買収した折、契約の内容に「アビイ・ロード・スタジオを保持する事の優先順位は高い」があり、EMIミュージック・グループのバラ売りをする際もそれは考慮されなければならない。だがここ数年アビイ・ロード・スタジオは赤字続きで、EMIミュージック内で再生の為の検討や売却の検討も続けられていたという。
ビートルズのアルバム・ジャケットでお馴染みの世界一有名な「横断歩道」は観光名所だ。世界中から観光客が訪れ、ビートルズと同じ格好で記念写真を撮る。今回の売却騒ぎでビートルズ・ファンが悲しみ嘆いているという話や報道が多い。でも2年前に投資会社テラ・ファーマがアビイ・ロード・スタジオを含むEMIミュージックを買収した時には誰も悲しみ嘆かなかった。EMIミュージックの社員以外は。
「オペラ座の怪人」のアンドルー・ロイド・ウェバーが買いたいとBBC放送が伝えたが、これには理がある。ウェバーは殆どのアルバムをこのスタジオで録音しているのだから。
今回のロイターの記者とEMI関係者への取材記事、EMI関係者は売却当事者でも何でもない。売却するのはオーナーである投資会社テラ・ファーマだ。買収騒ぎにはよくある話。いずれにせよバブル期に買収したEMIミュージックをどうするのかという事の結論はまもなく出るのだろう。
2007年、投資会社テラ・ファーマがEMIミュージックを買収した後、テラ・ファーマの最高経営責任者のガイ・ハンズがEMIの社員に送った社内メモ。「ヒット曲が分る耳なんていらない。どうやったら儲かるかが分るかだ」。》
因みに、アンドルー・ロイド・ウェバーは「オペラ座の怪人」の他に、「キャッツ」、「スターライト・エクスプレス」の作曲家でプロデューサーとして知られる。高橋さんのブログによれば、「(広報担当者が)彼はアビイ・ロード・スタジオを救う事がイギリスの音楽業界の未来にとって非常に重要な事だと考えています」と語っているとか。