日レ商が選んだ08年十大ニュース!! パッケージの売上げは10年連続で減少も音楽配信は1000億円目前に!!

音楽業界も色々あった。あったが、今年は「これ」という大きなこともなかった。とはいっても、音楽業界に携わる者として、今年1年を振り返ってみたい。そこで、とりあえず今回は、全国のレコード店の組織である「日本レコード商業組合」が振り返った2008年の十大ニュースを列記することになした。
(1)メーカー17社と「7掛奪還」交渉
「日本レコード商業組合」(日レ商組)は5月22日開催の通常総代会で、組合員の命綱である「CD掛率7掛」奪還を決め、全組合員の署名・捺印による「決議文」をメーカー各社に提出、7掛奪還と同時に「返品改善」「廃盤の実施」も合わせ求める運動を展開した。7月11、14、15日にメーカー4社、10月1、2、22日に13社を訪問して、メーカー首脳陣および営業幹部と交渉。訪問17社中16社からの回答を得た。全社から「ご要望には応じられない」ことが判明したが、その後、こうした一連の組合活動が、公正取引委員会から「独占禁止法の違反行為にあたる」との指摘を受けた。このため日レ商組は、今後の取引問題等々の取り組みについて、1月6日に開催する緊急理事会で検討することになった。「厳しい経営を余儀なくされている組合員店の現状をメーカー各社が真摯に受け止めただけでも運動の成果はあった」と言うのだが…。

(2)パッケージの売り上げが「10年連続売上げダウン」
「日本レコード協会」加盟全社が公表した「オーディオソフト生産実績」によると、1〜11月全体累計は、数量で前年同期比94%の2億2608万5000枚(本)、金額ベースでは92%の2683億8400万円となり、残す12月の実績に拘わらず、「10年連続ダウン」となることが濃厚となった。オーディオソフトのピークといわれた98年が約6000億円だったのに対し、今年は12月分を足しても3000億円前後となり、10年前から半減したことになる。これに音楽ビデオを加えた音楽ソフトは3500億円前後と予測され、オーディオ・パッケージを経営の柱とする一般レコード専門店のシェアは50%を下回るまでに至っている。特にシングルの売り上げは年間で500億円弱、これに対し音楽配信は900億円を突破することが予測され、パッケージとノン・パッケージの共生・共存が、さらに課題となりそう。

(3)レコード・ショップの転・廃業続く
音楽配信、ネット通販、レンタル、違法コピー等々、業界を取り巻く諸環境がますます悪化している。加えて大型複合店、異業種大型店、大型チェーン店などの競争激化で、一般レコード専門店の売上げ低迷が続き、経営不振ならびに将来への不安感から転・廃業・倒産が相次いでいる。平成4年の発足時は1822事業法人、店数3500店だったものが、今年12月現在では何と約470事業法人、店数約870店にまで激減している。

(4)日本レコード協会が違法コピー撲滅キャンペーン
「レコード産業の復活を果たす」ことを事業目標に掲げてきた「日本レコード協会」(石坂敬一会長=RIAJ)が今年1〜3月の3か月間、大々的な「違法コピー撲滅キャンペーン」を展開した。同キャンペーンは「STOP! ILLEGAL COPY〜違法コピー撲滅〜」をキャッチコピーに、違法コピーの防止を訴えた。さらに、音楽創造のサイクルを守る大切さを一般ユーザーへ訴求した。キャンペーンの柱は、RIAJ会員全社の店頭用ポスターにキャッチコピーを掲載し、日本レコード商業組合員店を中心にキャンペーンを繰り広げた。この他、新譜案内書に啓発コピーを刷り込む、店頭有料看板へ啓発コピーを入れる、1〜3月発行のフリーペーパーに啓発ページを掲載するなどを実施した。

(5)ソニー・ミュージックエンタテインメントがBMG JAPANを完全子会社化
ソニーは10月1日、独ベルテルスマンが保有するソニーBMG・ミュージックエンタテインメントの持分の全て(ソニーBMGにおける全持分の50%)のソニーによる取得が完了したと発表した。新会社の社名は「ソニー・ミュージック・エンタテインメント inc」(SMEI)に変更し、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカの完全子会社となった。日本のソニー・ミュージックエンタテインメント、BMG JAPANの両社は、ともにお互いの強化を活かせる組織の再編・統合を通じて効率化を進めることになった。これに伴いBMG JAPANの新社長には佐久間救氏(ソニー・ミュージックエンタテインメント取締役コーポレイト・エグゼクティブCSO)が兼任で就任。

(6)「音楽ギフトカード」をリニューアル

ジャパン・ミュージック・ギフトカードは、創業20年を節目に、さらなる成長をめざし10月1日から、音楽ギフトカードの券面デザインをリニューアルした。同時に音楽ギフトカードの有効期限を約5年に延長、ユーザーの利用を促し、取扱店の売上げ促進につなげることを狙うことになった。合わせて会社再建に向けてメーカー、日レ商組双方による体質改善策が講じられる。

(7)「レコード需要創造コンソーシアム」を新たに発足
音楽業界の活性化、音楽パッケージの需要創造・拡大を目的とした業界有志の協議会「レコード需要創造コンソーシアム」が今夏発足。さらに、その下部組織として「コンソーシアム・プロジェクト委員会(CPC)」がスタートした。RIAJの石坂会長、日レ商組・田中理事長、全国レコード卸同業会・飯原会長らが参画している。

(8)「着うたフル」大伸長で音楽配信900億円を突破!
「着うたフル」が「着うた」よりも金額・数量とも大伸長、トータルの音楽配信は900億円を超える見通しとなった。音楽配信の第3四半期(1〜9月)までの実績は670億円、これに残り3か月間を加えると900億円と予測されている。RIAJは、音楽産業全体の立場から、音楽配信とパッケージを合算、今年度はトータルで100%前後と判断している。一方、シングルは年間で500億円と予測され、完全に逆転した形となった。

(9)EMIミュージック・ジャパンの新社長に市井三衛氏就任
経営の刷新が相次ぐEMIミュージック・ジャパンの新社長に、10月1日付で前ワーナーミュージック・ジャパン専務取締役CFOの市井三衛氏(51歳)が就任しました。6月30日付で突然に退任した代表取締役社長・堂山昌司氏代の後任だったが、結果的に3ヶ月間の空白が出来た。

(10)CD店員の「音楽WEBサイト」がスタート
新しい音楽WEBサイト「全日本CDショップ店員組合」が今夏からスタートした。