「ペニシリンは人気がない」と裁判所が異例判断! 判決を受け“刑事訴訟”も視野に…(3)

今回の「ペニシリン裁判」の賠償金額に関して、確かに金額的には少ないが、判決の中で笑ってしまったことがあった。持ち運んだとされる、楽器や音響機器、さらには衣装に関して裁判所は「本件物品の購入当時の価格が、少なくとも原告(ティアーズ音楽事務所)の主張に係る2303万3564円であることが認められる」としているが「しかし、本件物品は、楽器、音響装置及び衣装等であって、いずれも被告荒井(マネジメント業務を担当していた荒井理仁氏)による運び出しの前からペニシリンが使用していたものである。したがって、本件物品が既に中古品であることからすれば、現時点で購入当時の価値を有しているものと解することは出来ない」とし、その上で「この点、原告は、本件物品はペニシリンが使用していたものであるから、マニアの間では、購入価格以上に高い値がつく旨を主張する」「しかし、ペニシリンのメンバーである被告近藤(GISHO=オメガプロジェクト・ホールディングス代表取締役社長)本人は、ペニシリンの現在の人気は、時代等の影響のせいなのか、音楽自体が余り評価されないのが現状であり、当初ほどの人気は全くなく、活動したとしても利益にならないこともあって、活動自体も難しいと供述しているのであり、この供述によれば、本件物品が購入当時の価格で売れるとは、到底考えられない」――要するに、裁判長は、物品の価格についての査定を近藤の証言を基にしたというわけだ。しかも、その証言というのが「ペニシリンは人気はない」と自ら認めてしまっていることだ。証言では「活動自体も難しい」と言っており、裁判官は、その証言を「その通り」と認定してしまったことにある。何か、空しさを感じてしまった。判決でペニシリンの人気がないことを裁判官が認めてしまったなんて、おそらく初めてのケースではないか? ペニシリンは現在、エイベックスが契約を結んでいるようだが、この判決をどう聞いたのだろうか? もちろん、現在でもペニシリンを心酔し続けるファンの心境はいかに…。いずれにしても、今回の裁判では、おかしいのはオメガプロジェクト・ホールディングスも被告になっているが、同社では代表取締役社長の近藤宜彰だけが訴えられている。本来なら代表取締役会長の横濱豊行も訴えられなければならない。そのことだけが釈然としないが、今回の判決を受けて、原告側は被告の近藤を含め、横濱会長についても窃盗罪で「刑事訴訟」も起こす意向らしい。“ペニシリン裁判”は、第2段階に移ろうとしている。