「紅白」歌い納めは5回目出場のいきものがかりと5回目トリのSMAP…それにしても多い出場歌手の“メドレー歌唱”だが。

「第63回NHK紅白歌合戦」の“歌い納め”は、いきものがかりとSMAPの対戦となった。SMAPは過去に03、05、10、11年と4回もトリを務めてきた。今年で5回目で“大トリ”と言うから息の長いアーティストになったものだ。
一方のいきものがかりは「風が吹いている」が今年はNHKロンドン五輪のテーマだった。ロンドン五輪での日本人選手の活躍は目覚ましく、今回の「紅白」の目玉になることは確かだっただけにいきものがかりのトリは、ま、順当だったか…。考えてみれば「レコード大賞」も「AKB48に決まり」であったとしても、その反面、いきものがかりの実績を評価する声もあるほどだから…。
それにしても。いきものがかりは…振り返れば「YELL」(2009年NHK合唱コンクール中学生の部の課題曲)、「ありがとう」(NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」)とNHKへの貢献度は圧倒的だ。因みに今回が5回目の出場と言うから、出場5回目のいきものがかりとトリ5回目のSMAPの対戦と言うことにもなる。
 ところで「紅白」は、1年に1度の大みそかの“お祭り番組”“国民的歌謡番組”って言ってしまえば、なるほど…とも思えなくもないが、ここ数年の歌唱楽曲は疑問ばかりだ。
 例えば、今年はこうだ。
まずは「紅組」である。AKB48「AKB48 紅白2012 SP~第2章~」、きゃりーぱみゅぱみゅ「紅白2012 きゃりーぱみゅぱみゅメドレー」、、浜崎あゆみ「2012 A SPECIALメドレー」、ももいろクローバーZ「ももいろ紅白だZ!!」。
「白組」も負けてはいない。嵐は「New Year’s Eve Medley 2012」、NYC「NYC紅白メドレー」、関ジャニ∞「初紅白!! 全力前進ジャジャジャジャーン!!!」、そして“大トリ”のSMAPも「SMAP2012 SP」。ヒット曲が多いからそうなるのか、歌う曲が選べないからそうなるのか?しかし、いろいろな作品を聴けるからいいという意見もあるだろう。見方によっては“ベスト・アルバム”的な感じもしないわけじゃない。1年を振り返る「紅白」としての理屈が通るのかもしれないが…。だが、冷静に考えたら、やはり「?」である。
 だいたい、AKB48「AKB48 紅白2012 SP~第2章~」って、第1章は何だったのか?それとも去年の「紅白」が第一章だったのか? ももいろクローバーZの「ももいろ紅白だZ!!」も意味が分からない。ま、「紅白」という大舞台で歌うだけに“スペシャル感”があっていいかもしれない。
それにしても、今回の「紅白」の曲目を見て「おや!?」と思うのは、「紅白」で歌って、翌年のCDセールスに結び付けよう…という思惑が一気に減少してきたような…。
特に演歌。石川さゆり「天城越え」、坂本冬美「夜桜お七」、北島三郎「風雪ながれ旅」、細川たかし「浪花節だよ人生は」、森進一「冬のリヴィエラ」。演歌以外も石原裕次郎の作品を歌うために出場したとはいえ舘ひろしは「嵐を呼ぶ男」、テレビの音楽番組だし、多種多様な視聴者のニーズを考えたら選曲は思惑がない方がいいのだが、この曲目を見る限り、今年の「紅白」のポイントはピンボケ。正直言って拘りも何も感じない。
かつては、良くも悪くも「紅白」出場となったら、それはそれは大騒ぎで、当然、歌う曲はアーティストはもちろん、所属事務所、レコード会社、そしてNHK…それぞれに思惑があった。出場が決まったのに、「新曲を歌わせてくれない」とワガママを言って、本番直前に出場を辞退したロックバンドもいたほどだ。ベルリンから生中継した長渕剛は3曲も歌い、約20分間も電波ジャックした。みんな「紅白」を“チャンス到来”と位置付けていたはずなのに…。
もちろん、そういった部分は、いくら時代が変わったとはいえ、今も同じだとは思うが、では一体、何が変わったのか? おそらく、その年を代表するヒット曲がなくなったからだろう。前述したが「今年の代表曲」がないから1曲に絞れずメドレーにしてしまう。逆に「名曲」を歌うのは今年の代表曲がないからということになるが…。ある意味では苦肉の策かもしれないが、
しかし、これに音楽業界は笑ってはいられない。出来ることなら「紅白」の選曲から「メドレー」や「名曲」を1曲でも少なくさせる努力をしなければならない…来年はそうありたいと思うのだが、果たして…。