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「若杉がギャラを払ってくれない…」が最後の言葉だった!? 映画監督・池田敏春氏の入水自殺の真相が…(4)

水曜日, 1月 18th, 2012

「彼は、若杉正明の犠牲者だったんですよ」。
ここにきて、ある業界関係者が思い出すように語り始めた。
彼とは、映画監督の池田敏春氏。そして、若杉正明氏とは映画プロデューサーである。
池田氏は、一昨年(2010年)12月24日に三重県志摩市の知人宅を出た後、連絡を絶った。しかし、その2日後の12月26日に志摩市の大王崎灯台の近くの海上で死後1、2日経った遺体が発見された、入水自殺だった。だが、その遺体が当時、池田氏であることは明らかになっていなかった。それから1か月…。2011年1月の末になって、その遺体が池田氏だったことが地元警察から発表されたという。要するに、死後1か月もの間、その遺体の身元が分からないままだったことになる…。まるで、ワイドショーの事件レポーターだった奥山英志のようだった。
この池田氏が撮った最後の作品が、何と若杉氏がプロデュースした「秋深き」だった。同映画は、八嶋智人、佐藤江梨子、赤井英和、佐藤浩市らが出演した作品だったが…。
「実は、若杉がギャラを支払ってくれないと周囲に訴えていました。池田さんはかなり困っていたんです」
もちろん、若杉氏が池田氏にギャラを支払わないことと、池田氏が自殺を図ったことは無関係なことかもしれない。しかし、当時の様子について周辺取材をすると、一概に「無関係である」とも言い切れないのだ。
池田氏は、早稲田大学一文を卒業したが、在学中から石原プロモーションで助監督を務めていた。
監督デビューは、80年で、にっかつ製作「スケバンマフィア 内刑 リンチ」。その後、ディレクターズ・カンパニーに参加し、白都真理、宮下順子らが出演した「人魚伝説」(84年)を監督。さらに、85年には天地真理が初ヌードを披露した「魔性の香り」の監督も…。他に「湯殿山麓呪い村」「くれないものがたり」「MISTY」「ハサミ男」など、多数の劇場映画を監督してきた。映画ばかりではなくビデオ映画も「監禁逃亡」シリーズや「暴力商売 金融餓狼伝」シリーズなど手掛けた。
こういった自殺があると、決まって出て来る話が「彼は鬱病的を患っていた」。
しかし、自殺――普通に考えるなら首つり…だろうが、池田氏のように真冬の海で入水自殺なんて、ハッキリ言って正常な人間のすることではない。明らかに何かを思い悩んでいたことは確かだろうが…。
池田氏は、Twitterをやっていた。
呟きは、2010年9月24日に「午前十時の映画祭。私のようなものには大変ありがたいです。これからも続けて下さい」と書いたのが最後だった。
ところで、池田氏は、消息を絶つ前の2010年12月23日に、ある人物――ここではA氏とする――に電話をかけてきたことが分かった。今回、若杉氏の件が明らかになったことで、A氏は池田氏の自殺も若杉氏に絡んでいると確信したというのだ。A氏は当時を振り返った。
「彼は池田です」
と言うと、か細い声で
「若杉が、お金(監督料)を支払ってくれないんです。困っているんです。…すみません。3万円でいいんです。貸していただけないでしょうか…」。
A氏は当時、地方に滞在中で、池田氏から電話があった時は込み入った打ち合わせ中だったこともあって「今、手が離せないんだ…」と告げると
「分かりました。申し訳ありませんでした」
と言って電話を切ったと言う。
それから…。
A氏は事情はどうであれ今、池田さんに手を差し伸べてやれなかったことを悔やんでいる。
もちろん決定的な証拠があるわけではないので池田氏の自殺の直接な要因が、若杉氏にあったとは断定はしない。しかし、少なからず、若杉氏の「ギャラ未払い」が自殺の引き金になっていたことは十分推測出来る。
池田氏が亡くなっている今、真実は闇の中だが、若杉氏に近い関係者によると、若杉氏は「ボキちゃんは(若杉氏は自分のことを「ボキちゃん」と言うらしい…)ギャラは支払ったよ」と嘯いていると言う。さらに「ギャラを支払ってなかったんじゃないか」という声に対して、若杉氏は死者を侮辱するような言葉を吐き捨てたようだ。その内容は、さすがに【ヘッドロック】も書けないほどの…。これじゃ、池田氏も往生できないだろう。
【つづく】