音楽ギフトカードがなくなり…AKB48に明け暮れた…CDショップの団体(日レ商組)が振り返った「レコード業界」の2011年!!

今年もあと2日…。「紅白」もあるが、その前に「レコード産業」も色々なことがあった。当然、「東日本大震災」はレコード産業に大きな影響を及ぼした。せっかくだから、その「レコード業界」の2011年を【ヘッドロック】は今回、レコードショップからの視点で振り返ってみた。
ーー全国のレコードショップ(CDショップ)が加盟する「日本レコード商業組合(日レ商組)」が「2011年の重大ニュース」としてまとめたのが次の10項目である。

① 「音楽ギフトカード」会社結了…
「日本レコード商業組合(日レ商組)」の前身だった「全国レコード商組合連合会(全レ連)」の時代から40年近く、レコード業界の需要拡大に少なからぬ貢献をしてきた「音楽ギフトカード」(発行元=株式会社ジャパン・ミュージック・ギフトカード)が9月8日の臨時株主総会で会社結了となった。
音楽業界を取り巻く環境が年々厳しさを増している状況下(特にパッケージの減少)、今後、発行を継続していくことは困難との判断で、昨年3月31日の出荷分を持って販売を終了、加盟店における取扱いも同8月31日で終了した。
その後取扱店店頭を中心に様々な媒体でユーザーへの周知徹底が行われ、払い戻しの受付と併行して会社解散の精算諸手続きを経て9月8日をもって会社結了となった。現在はコールセンターによるユーザー対応が行われているが、同センターへの問い合わせも月ごとに減少、現在のところ大きなクレームは入っていない。この点について、スタート時のいきさつから同社の大株主となってきた日レ商組本部によると「ギフトカードという商品特質(もらった人が大多数)が要因」だと説明していた。

② 「東日本大震災」被災地支援に業界一丸…
3月11日に発生した「東日本大震災」は、東北・北関東地区を中心に全国各地に多大な影響を与え、今なおその傷跡の癒えぬ状況が続いている。この未曽有の大震災は、レコード業界(音楽業界)もあらゆる分野でその影響を直接・間接的に受けた。その一方で「音楽」の持つ役割が大きくクローズアップされた年でもあった。
日レ商組関係では東北・北関東地区の被災店が20法人、30店舗にも達した。このような中で集まった義援金289万円(一般組合員有志が122名、10団体)は宮城県石巻市の「ミュージックショップ OBATA」(小幡勝己店長/全壊)はじめ被災店に贈られてきた。震災発生後は東北・北関東地区を中心に全国のレコード店への配送が乱れ、メーカーによる発売商品の延期・中止が相次ぎ、紙不足・インク不足がジャケット/ポスター制作に影響、レコード業界全体が不況感に襲われた。
他方、復興・復旧を願う諸イベントがプロダクション、メーカー、権利団体等々によって開催され、社会全体に「音楽」の持つ力を再認識させた。

③ 真の製販一体を目指す「日レ商組」…
6月9日、東京「アルカディア市ヶ谷」で行われた「日本レコード商業組合・平成22年度第19回通常総代会」で門倉昭一理事長が再選。真の製販一体と組合員の結束のもと、パッケージを死守しようというスローガンを掲げ、具体的には「5つの苦悩」を打ち出し、1期2年間を経過したところで、今年度からは優先事項として
1.在庫とキャッシュフロー
2.DVD付CDの乱売問題
3.新譜レギュレーション設定問題
――の3点に取り組むことを明示、直近では「新譜WEB化の問題」「NRCのPOSレジ」「直販サイト/ミュウモ・ショップ」等々に取り組んでいる。

④ AKB48に明け暮れた2011年…
パッケージ不振の中で、AKB48の快進撃はレコード店に大きな活力を与えた。歌って踊れるグループの台頭はここ数年来続いているが、AKB48を筆頭に、EXILE、嵐、KARA、少女時代…。それらは今年の大きな特色となった。
中でもAKB48は、シングル「桜の木になろう」(2月16日発売)、「Everyday、カチューシャ」(5月25
日発売)、「フライングゲット」(8月24日発売)、「風は吹いている」(10月26日発売)、「上からマリコ」(12月7日発売)、アルバム「ここにいたこと」(6月8日発売)の6作品がミリオンを達成した。
今年のミリオン達成作品がシングル5、アルバム2作品(他にEXILE「願いの塔」)の合計7作品であったことから、ほぼ独占となった。パッケージに握手券、イベント応募券を入れたりする新しいやり方が功を奏した。あるレコード店担当者は「今年はAKB48に明け暮れました」と苦笑いしていた。

⑤ 日本レコード協会々長に北川直樹氏選任…
一般社団法人・日本レコード協会の会長にソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役コーポレイト・エグゼクティブCEOの北川直樹氏が就任した。合わせて水村雅博専務理事が退任、後任に田口幸太郎常務理事が昇格。副会長には長老格の稲垣博司氏(エイベックス・マーケティング代表取締役会長)と、斉藤正明氏(ビクターエンタテインメント代表取締役社長)の両氏が留任、市井三衛氏(EMIミュージック・ジャパン代表取締役社
長兼CEO)、小池一彦氏(ユニバーサルミュージック合同会社CEO兼社長)両氏が留任となった。
また、7月4日には協会本部事務所を東京・虎の門の共同通信会館9Fに移転、心機一転を図った。

⑥ ワーナーミュージック・ジャパン会長兼CEOに石坂敬一氏就任…
㈱ワーナーミュージック・ジャパン代表取締役会長兼CEOに石坂敬一氏が就任した。同氏は1994年(平成6年)に東芝EMI㈱(現㈱EMIミュージック・ジャパン)からユニバーサルミュージック合同会社の前身となるポリグラム㈱の代表取締役社長に就任。以降約15年間に亘って同社の経営を率い、平成20年には、50年以上前に日本における団体会社が創立されて以来初めてとなる「CD生産額」での市場シェア第1位の快挙を成し遂げ、昨年11月から同社会長、相談役としてサポート。その一方で、2期に亘って日本レコード協会長を歴任、北川新会長にバトンタッチした。

⑦ パッケージは「13年連続ダウン」に!?…
レコード店の売上げに直結する日本レコード協会発表の「レコード生産実績」によると、音楽ソフト(オーディオ/音楽ビデオ)が13年連続ダウンの危機に。1月〜11月累計では数量対前年同期比98%、金額で同96%、あと1か月を残すところで極めて微妙になっている。実際、一般レコード専門店の状況はさらに厳しさを増しており、大幅な2ケタダウンとなっている。今後の転・廃業が気になるところ。

⑧ 「音楽ブルーレイ」キャンペーンがスタート…
一般社団法人・日本レコード協会(北川直樹会長)は、音楽ブルーレイディスクの普及促進を目的としたキャンペーンを12月からスタートした。第1弾として会員社から発売されている音楽ブルーレイディスクのカタログを作成(10万部)、カウンターPOPとともに全国CDショップ等に配布、ユーザーに訴求している。それと連動してソニー・ミュージックディストリビューション(古澤清代表取締役)も独自キャンペーンを開始している。

⑨ 「星光堂」社長に飯原敏明氏昇格…
CDなどの卸やレコードショップ店を運営する「星光堂ホールディングス」および「星光堂」は、次世代の成長に向けた経営体制の構築を目的に、9月13日の定時株主総会および取締役会で、飯原敏明専務の代表取締役社長昇格を決定した。飯原博代表取締役社長は代表取締役会長に昇任した。

⑩ SMEの大賀典雄名誉会長逝く…
ソニー・ミュージックエンタテインメント名誉会長で、ソニー相談役だった大賀典雄氏が、4月23日午前9時14分、多臓器不全のため逝去した。享年81歳。
「お別れの会」は6月23日午後2時から、故人が館長をつとめた東京・上野の「東京文化会館」で営まれ、親交のあったハード、ソフトの業界関係者など約1000人が故人と別れを告げた。政府は大賀氏に「従三位」を贈った。

■EMIミュージックが分割されユニバーサルとソニーに売却へ!!

【番外ニュース】 この他にも、実は世界的な「重大ニュース」があった。
ビートルズや宇多田ヒカル、今井美樹、布袋寅泰、アルフィー、椎名林檎(東京事変)、さらには韓国のSHINeeなど多数のアーティストが所属する「EMIミュージック・ジャパン」の親会社である英国の「EMIミュージック」が、米国の金融・証券投資会社の「シティグループ」によって買収されたのが今年2月のことだった。それから僅か8ヶ月。その「EMIミュージック」は「レコード部門」と「EMI音楽出版部門」に分割され、レコード部門は「ヴィヴェンディ」(ユニバーサルミュージックの親会社)、音楽出版部門は「ソニー」によって買収されることになった。
今年2月、米国の金融・投資会社大手「シティグループ」は、投資会社の「テラ・ファーマ・キャピタル」が保有してきた「EMIミュージック」の全株式を取得した。これまで「音楽ビジネス」には全く興味を持っていないはずの「シティグループ」が「英EMIミュージック」の全株式を取得するとは当時、想像もしていなかった。
いずれにしても、今回の「EMIミュージック」の売却(買収)劇――下馬評では、ワーナーミュージックの親会社である米投資会社のアクセス・インダストリーズとも言われたが、金額で折り合いがつかなかったようだ。
ヴィヴェンディによって買収された「EMIミュージック」の「レコード部門」にはビートルズやピンク・フロイドを始め、先々週に米英でアルバムがチャートで1位になったコールドプレイをはじめ、最近では女性ポップ・シンガーのケイティ・ペリーや3人組のカントリー・グループ、レディ・アンテベラムといった新しいミリオンセラー・アーティストを抱えている。買収後はヴィヴェンディ傘下のユニバーサルミュージックで運営させることにしているが、ユニバーサルのルシアン・グランジ最高経営責任者は、「ユニバーサルミュージックにとって、歴史的な買収だ。私はイギリス人だ。EMIは傑出したイギリスのレコード会社。EMIのアーティストとヒット曲は私の10代のサウンドトラックそのもの。ユニバーサルミュージックはEMIの音楽文化を継承する事を誓う」とコメント。所属アーティストも好意的な反応を示している。
かつてEMIに所属していた人気ロックグループ、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーも、「とても前向きな出来事。EMIが再び血の中に音楽が流れている人達によって買収された事を本当に歓迎する」とコメント。
さらにコールドプレイのマネージャーであるデイヴ・ホルムズは、「ユニバーサル・チームとの仕事に期待する。
ユニバーサルミュージックには優秀な幹部が揃っている。この事はEMIレコードのアーティストや幹部にとってとてもポジティブな事だ」というコメントを明らかにした。また、昨年、ロンドンの「アビーロードスタジオ」の売却騒動の際は、真っ先に買収に動いた作曲家のアンドリュー・ロイド・ウェバーも「レコード業界の未来にとって刺激的なニュースだ」と語っていた。
一方、音楽出版を買収した米ソニー。今回、出版を取得したことで新会社を設立するという。新会社の株式の持ち分は米ソニーが38%。そこにマイケル・ジャクソンの遺産管理団体、早くから買収の為に投資を決定したアブダビの投資ファンド「ムバダラ」、アメリカの投資会社「ブラックストーン」や「Jynwel Capital Limited」、さらにイーグルスを世に送り出した伝説の音楽マン、デヴィッド・ゲフィンも投資するという。このやり方はエドガー・ブロンフマン(現ワーナーミュージック会長)がタイム・ワーナーからワーナーミュージックを買収した際と全く一緒である。
いずれにしても、米ソニーは、EMI音楽出版の実務は故マイケル・ジャクソンと共同で保有する音楽出版社の「Sony/ATV」が担当することを明言している。
もっとも、今回の買収劇の今後のポイントは世界各国、特にEU諸国での競争法(独占禁止法)に抵触する恐れが高いということだろう。そういった部分では、「買収」といっても不透明な部分は残る。ま、決着までには、まだまだ時間がかかる!?

「紅白」リハーサルがスタート!! せっかくのチャンスなのに何故他アーティストより目立とうとしないのか…

「第61回NHK紅白歌合戦」のリハーサルが、東京・渋谷のNHKホールで始まった。
今年は、昨年以上に取材に対する規制が厳しい。人数制限までされている。もっとも例年、「紅白」の楽屋口付近は出演者の出入りも激しいし、その上に取材記者がウロウロしているわけだから、制限されるのも仕方がないのかもしれない。が、今年は、またまた例年以上に現場取材の規制が厳しくなっていた。
初日――29日のリハーサルは
9時から少女時代→KARA→NYC→アンジェラ・アキ→水樹奈々→FUNKY MONKEY BABYS→西野カナ→AAA→flupool→TOKIO→Perfume→いきものがかり…と午前中は進行。
昼食をはさんで、午後はAKB48→郷ひろみ→松任谷由実→ニッポンの嵐ふるさと→ゆず→aiko→L’Arc~en~Ciel→平井堅→ポルノグラフィティ→倖田來未→徳永英明→和田アキ子→椎名林檎→夏川りみ・秋川雅史→平原綾香→絢香→EXILE→芦田愛菜・鈴木福…
こんな感じで進行していったが、何と取材はステージ取材はNG(ステージを観せない)、ステージ写真禁止ばかり。まず、NYC、松任谷由実、嵐、倖田來未、椎名林檎、EXILEはホールから退出、そして、少女時代、KARA、西野カナ、AAA、Perfume、aiko、L’Arc~en~Ciel、平井堅、ポルノグラフィティ、そして絢香はステージは観せるが写真は禁止…。
確かに、みんながみんな衣装を着て出るわけでもないし、女性アーティストの中にはスッピンもいる。もちろん衣装は「テレビで観てのお楽しみ…」ってこともあるだろう。まあ、そういった意味で、リハーサルはプライベートに近いものがあるのかもしれないが、そうは言っても、「紅白」は、事前宣伝も必要である。紅白50組以上が出場するわけだから、いかに埋もれないように、1人でも多くの視聴者にテレビで自分を観てもらうことが勝負である。そのためにも、衣裳だったり、演出だったりで自分をアピールしなければならない。それこそ、終わってから印象にも残っていなかったりしたら失敗だ。
そういった意味で、「紅白」は、さまざまなメディアが来るし、取材も殺到する。アーティストにとっては自分をアピールできる絶好の場ではないか。そんな絶好のチャンスを何で無にするのか?僕には分からない。確かに、KARAだとか少女時代、AKB48、嵐といった面々は、露出も高いからいいのかもしれないが、普通に考えたら、こういった時こそ、他のアーティストよりも話題になることを考えるものじゃないかと…。そこが理解できないところだ。
ま、倖田來未なんかは、入籍、妊娠があるから取材を避けたい気持ちがあるだろう。NHKホールでも出ていくときに「(体調は)全然大丈夫です」なんて言っていたけど、大丈夫なら、取材に応じちゃえばいいのに…なんて思ったりする。
いずれにしても、「紅白」に出場するアーティストの理解できない部分である。
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とは言っても、横一線の扱いではあるがステージのリハーサル後は、ホールのロビーで写真撮影に応じ、さらに取材記者のインタビューにも答えるアーティストも多い。
千昌夫は「いつも歌っている『北国の春』とは違う。今年は被災地への思いを込めて歌いたい」と言い、坂本冬美は「被災地の方々は仮設住宅で観る方々が多いと思う。そういった意味で観る方も歌う方も、いつもとは違う…、昨年とは明らかに違う『紅白』になると思う」と言っていた。
また、「芸道50年」の北島三郎は「今年は色々あった。厳しい、辛い、苦しい1年だったが、それは今年限りにしたい。苦しいこと、辛いことがあった次はいいこと、幸せが来ると信じていきたい。(「帰ろかな」を歌うことについては)ふるさとがあって自分たちがある。とにかく元気の出るような歌を歌いたい。もっと景気もよくなって、上を向いて歩こう…というのが無理だったら、少しでも前を向いて歩けるような世の中になって欲しい」なんてしみじみと語っていた。
…コメントを書くと演歌歌手ばかりが多いが、ポップス系は、よく分からないが余り目立たない。徳永英明(写真)や、いきものがかり、さらには嵐と井上真央が司会者として取材時応じたり、AKB48も大島優子、前田敦子、小嶋陽菜、渡辺麻友、篠田真理子、板野友美、柏木由紀、高橋みなみの8人が取材に応じていたが…。
いずれにしても、若いアーティストは、もっと積極的に出て来るべきだと思うのだが、マネジメントサイドには他に考えがあるのか?ま、僕には、いくら出ていても存在感のないようなアーティストも多い感じもするのだが…。