架空の投資をデッチ上げ40億円以上も私的流用していた元電通の部長が詐欺で特捜部に逮捕されたが…。

東京地検特捜部は、大手広告代理店「電通」の「電通エンタテインメント事業局」企画業務推進部長だった大森章道を詐欺の疑いで逮捕したという。
大森は、平成20年10月29日、電通が扱っていたイベントの制作費を立て替えたら、電通などが出資する「シブヤエンテーテインメントレビュー21共同事業組合(SER21)が手数料5%を上積みして返済すると嘘をついて、知人から約1億5750万円を騙し取った――というもの。
それにしても、この事件、実は【ヘッドロック】では今年2月28日と3月1日に詳しく記述しているのだ。そういった意味では、ようやく逮捕と言ったところだろう。
しかし、今回は約1億5750万円を騙し取ったとしているが、実は、そんなものじゃなかった。
大森は、架空の投資話をデッチ上げ40億円以上ものカネを集め、私的に流用していた。この事件は、電通とテレビ東京が02年に共同で設立し運営していた東京・渋谷区のライブスペース、SHIBUYA BOXXを巡ってのものだった。
当時、取材した電通マンによると、特捜部による大森の内部調査は1年前から行われていたと言う。
「電通の総務局には、検察出身者が何人かいて、その検察出身者が大森を徹底的に調査したようです。ところが、なかなかオチなかったそうです。とにかく内部調査が大変だったと聞いています」
また、電通エンタテインメント事業局の関係者は
「どうやら、会社のパソコンや携帯電話からは証拠となるものが全く出てこなかったようです。そういった意味から大森の私物のパソコンや携帯電話を使っていたと言われていました。そういった意味で言うと、今回の事件と言うのは、大森の出来心というのではなく、最初から狙ってやっていた…。明らかに確信犯だったんです。だいたい、父親が役員を務めていた広告代理店などを2次委託先に指定していたんですから」。
いずれにしても、前出の電通マンは「去年、20億円ぐらいの横領だと聞かされていましたが、それが40億円と聞かされた時は正直驚きました」とタメ息をついていた。
当時、大森は、建設費がかさんで資金繰りが大変だったSHIBUYA BOXXのために始めたとし、集めたカネは施設運営費に回したと言っているが、大森が個人的にBOXXを経営しているわけではないと思うが…。
しかも、大森の横領事件に関しては「暴力団が絡んでいる」との見方をしているムキもあった。
「(特捜部が)捜査をしている中で、入金先など入金経路は全て判明しているようですが、支出については全容がイマイチ判明していないと言われていました。入った金がどこに出ていって、何に使われたのか…その部分での大森の説明に対して、実は捜査が進んでいないと聞いています。そういった意味から暴力団絡みの事件ではないかとも言われていたんです」(関係者)
しかも、この事件を巡っては現在、業務委託先の3社が電通などを相手取って、未払いの委託料など計約46億8700万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こし争われている。
因みにだが、当時の報道では
≪知人が役員を務めていた大阪市のコンサルタント会社など約10社を1次委託先とし、組合や電通などの名義で施設の運営関連業務などを発注。 その際、以前に父親が役員を務めていた広告会社など数社を2次委託先に指定、 1次委託先から2次委託先に作業代金を前渡しする契約を結んだ。 しかし、実際には広告会社などは目的の作業をせず、渡された資金は別の1次委託先への支払いや施設の土地の賃料など主に施設の資金繰りの穴埋めに使われた≫
それにしたって、部長とは言え、一事業局の一部長が40億円を超える巨額の金を集め横領出来るとは凄いことだ。が、結局、何だかんだと言っても判明したのは約1億5750万円ってことなのだろう。
ところで、大森に対して電通は昨年3月、これらの取引を「作業実態がなく、架空だった」として懲戒解雇していた。