「頑張ろう日本」「頑張ろう東北」って…何を“頑張れ”って言うの!? 松山千春が敢えて提言する震災、原発問題(下)

holiday-IMG_0855.jpg福島第一原発の事故。オレのような原発推進者で、原発を理解している者でもさ東電や国の対応には腹が立った。
また敢えて、北海道の者として言わせてもらうなら、北海道と言うのは、かつて国策として石炭を掘り続けてきた。夕張、芦別、美唄、登別、砂川、歌志内…北海道には、さまざま炭坑があって掘り続けた。それこそ、戦時中は軍需産業のエネルギー資源として、採掘が乱開発に近い形で行われてきたわけだ。ところが、エネルギーが石油にシフトするとその石炭もいりませんと…。その結果が、今の北海道の炭坑町の現状だろう。
この二の舞だけはやめてくれって言いたいんだよ。
4月22日には福島第1原発から半径20キロ圏内の警戒区域の外側で、累積放射線量が高くなると予想されるエリアが「計画的避難区域」に指定されたが、だからと言って、国民は福島を捨てないでくれって、最後まで見届けてくれって。
とにかく、許せないのは国の対応、東京電力の対応だよな。奴らには正直言って危機感が感じられないんだよ。本当に誠意がない。能力がない。責任感がない。
東電の勝俣会長、清水社長、それに枝野官房長官や菅総理がいくら会見していても、まるで他人事のように聞こえる。あれは正直言って許せないな。
だいたい、事故の起こった原発の最前線――放射能の中に入って一生懸命に命を張っている方々っていうのは東電の下請けの下請け、もしかしたら、そのさらに下請けの人たちだろうって。そういった人たちが、あの事故を起こした原発の現場で一生懸命に頑張ってくれているんだぞ。ところが、東電の会長とか社長、まして国会議員の連中というはいつも安全なところにいる。
国会議員っていうのは、少なくとも「国のため」「故郷のため」とか、あるいは「ここから政治を変えていきましょう」とか言って当選してきたわけだろ。そうしたら、国会議員は自らの命を懸けて、率先して防護服を着て原発の様子を見に行くのが本来の姿だろう。選挙の時は、さんざん調子のいいことを言って当選したら知らん顔っていうのはおかしいだろうって。少なくとも言っていることとやっていることが違っていたら、次の時代を担う子供たちだって信用できなくなるって。
菅さん。能力がないというのなら、例え総理大臣であっても直ちに去っていただきたい!!
それと、東日本大震災や原発事故で避難されている方々に対して、テレビなんかを観ていると「頑張れ」とか言っているけど、何を「頑張れ」っていうのさ。
「頑張ろう日本」とか「頑張ろう東北」とか…。
いや、もちろん、そういった気持ちは分かりますよ。気持ちは分かるけど、そもそも「頑張ろう」っていうのは目標があることが前提だろうって。でも、今は、その目標もない。だから政府が、もっとしっかりして、ちゃんとしたビジョンを立てて、こうすればこうなります…って描いてやらないと、漠然でもいいから青写真を提示してやって、その上で「頑張ろう」って言うんだったら分かるさ、それが…大津波で何もかももっていかれてだぞ、そういう方々に「頑張ろう」って。それはないんじゃないか? 
要は義援金とか募金なんかも同じこと。全てがゼニ、カネの問題じゃない。
俺は、出来れば…。「あなた方の悲しみを分けて下さい」「あなた方の不安を、絶望を少しでも分けて下さい」って言うだろうな。
悲しさ、悔しさ…それを分けてもらえるのが我々、肩書を持たない人間の出来る行動だと思う。つまり、そこから復興の一歩が始まるんじゃないかと。
役所の人間とか官僚と言うのは、基本的に法律で決められた枠の中でしか行動できないんですよ。
例えば、今、集められている義援金とか寄付金もそうだろうけど、被災者に罹災証明書を出そうとしたとしても、決められたルールの中でしか対処できない。だけど、肩書のない一般の人たちというのは、役人でも何でもないんだから、逆に被災者の立場になって悲しみや苦しみを分かち合うことが出来るんじゃないかと思う。
我々は、意思を持たない瓦礫でもなければ、能力を待たない木偶の坊でもないんですよ。そういったことが出来たのなら、さらに日本は豊かな国になるんじゃないかと思う。

「誰も言わないならオレから苦言を…」 獲得賞金を寄付するという石川遼に対して松山千春が反論!!(中)

holiday-IMG_0910.jpg石川遼という素晴らしいプロゴルファーがいます。
彼は才能もあるし、世界のメジャーを狙えるプロゴルファーだろうと、オレも期待しています。
しかし、彼が今回、出場した試合の賞金は全てチャリティーに回しますと発言したことには納得できない。確かに、それは素晴らしいことだと思う。被災地、被災者を思う彼の気持ちは否定しませんよ。何も悪いことをしているわけじゃないですからね。けど、よく考えてみろよ。じゃあ、お前は何で食っているわけ?
お前は、確かにCMもいっぱい出ているしスポンサー料も入ってくるんだろ?それこそ英会話からゴルフ用品の契約金とか…。そういった契約金なんかを貰って彼は生活しているんだろって。それじゃ汚いだろ。
オレに言わせりゃ、賞金なんかじゃなくてCMの契約金をチャリティーに回せよって。で、「私は、ゴルフの賞金を稼ぎます」って言った方が、よっぽど勇気ある行動だと思うし、潔いと思う。それを、テレビなんかで「賞金は全てチャリティーに回します」なんて言っていたら、他の選手はやりにくいだろうって。
「これを入れちゃって、もし遼に勝っちゃったらどうしよう…」
なんて、もしかしたら他の選手だって萎しちゃうかもしれたいだろう。
オレが言いたいのは、ゴルフと言うのはあくまでも個人プレーだけど、相手がいなければ出来ないし、面白くも何ともないってことさ。いくらいいスコアを出そうとも1人で回っていたら意味ないだろ。他の選手がいなければ勝負にならないってことなんだよ。だったら、他の選手のことを考えて発言すべきだろうって。自分だけ、CMの契約金を何億も貰っていてだよ、自分で稼ぎ出した賞金は全部チャリティーにしますって、それは、CMの契約もなくゴルフでの勝負だけに賭けて稼いでいる選手に対して失礼だろうって。
もっとも、こんなことは遼のような19や20歳の少年の考えることじゃないだろ。周りの大人たちが考えアドバイスして、遼も納得したんだろうけど、フェアというのは、そういったものじゃないだろうって。
誰も言わないなら、オレが敢えて苦言を呈しますよ。
やっぱり、義援金とか寄付っていうのは自分で働いて稼いだ中から身の程にあっただけ出せばいいんですよ。
いずれにしても、周りに正しいことを言ってやれる人がいないとダメだよな。人の道はこういうものだっていうことを…、ちゃんと言ってやるべきなんだよ。

【後編につづく】