福島原発は危機脱出なるか!? 音楽事業を叩き売って原発を推進してきた設計会社・東芝や日立の責任は!?

マグニチュード9.0という国内気象観測史上初めての巨大地震と津波で、今や危機に陥っている福島県大熊町、双葉町の東京電力福島第1原子力発電所。現時点では自衛隊や東京消防庁が、3、4号機の使用済み核燃料プールへの放水を続け、さらに1、2号機では電源復旧を急いでいる。これがうまくいけば、2号機の中央制御室の空調や一部計器類に復旧の可能性があるという。
そうはいっても、もはや、ここにある福島第1原発も第2原発も、もう起動することはないだろう。少なくとも放射能によって汚染された、この地域は10年間は何もできない。しかし、その一方で原発の核燃料の後始末だけは続けなければならない。そういった意味では、とんでもない浪費である。
もちろん、どこまで住民が暮らせるのかも考えなければならないし、水質も調査しなければならない。ついでに、福島県と言えば温泉である。温泉だって、放射能の影響があるかもしれない。そういった意味でも今回の原発事故の影響は甚大だ。
 三大財閥の1つである住友化学の代表取締役会長で、日本経団連の米倉弘昌会長が記者団に、福島第1原発の事故について「千年に1度の津波に耐えているのは素晴らしいこと。原子力行政はもっと胸を張るべきだ」と言い放って(16日)、呆れさせたが、経済界には未だに「日本の原子力技術は世界一」なんていう「原子力神話」があるのか?
 しかし、今回の原発事故で納得できないのは東京電力の清水正孝社長が、殆ど顔を出さないのが不思議である。だいたい、清水社長と言うのは、長い間、原子力発電所への資材を調達する部門の担当し、そのトップだった。しかも、企画や広報も担当しているはずなのに、マトモに出てきたのは計画停電の時だけ。原発事故に対しては、全く出てこない。何なのだ。
資材の調達をしていた清水が清水なら、原発の設計をしていた東芝や日立(GE日立・ニュクリアエナジー・インターナショナル・エルエルシ)といったメーカーの社長も知らん顔。もちろん、現場レベルではやっているだろうけど、トップは逃げっぱなし。まるで、大地震の前に逃げると言うネズミのようだ。しかし、今回は津波で逃げたからドブネズミだ。こういつら住民や国民を舐めきっている。

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だいたい、東芝の場合でいうと、05年に社長に就任した西田厚聰(現、会長)に問題がある。西田会長は、パソコン事業で功績を残した御仁であるが、社長に就任後は事業整理で財務体制の強化を図った。そこで、まず音楽事業からの撤退を決め、東芝EMI 【写真】の保有株45%を英国のEMIグループに売却してしまった。写真は、当時、赤坂の溜池にあった東芝EMIだが、今や跡形もなくなっている。しかも、東芝はEMIグループに、たった210億円で売却してしまった。それも、値段を割引して叩き売ってしまったというから、情けない限りだ。それが西田の音楽事業への価値観だったのだろう。しかも、この当時、次世代DVDの規格戦略に敗れ、HD,DVDから撤退したりしていた。
いずれにしても、音楽事業を叩き売ってまでも事業推進したかったのが原子力。その後、積極的に設備投資をして、米国の原子炉技術の大手、ウエスティングハウス・エレクトリックを日本円で6200億円(54億ドル)で買収している。その旗振りをしていたのがワンマン社長だった西田だったんだから、ここは、知らぬ存ぜぬではなく、言い訳ぐらいした方がいい。
考えてみれば、日立にしても、日本コロムビアを米国のリップルウッドに売却して、音楽事業から撤退している。そういった意味では東芝も日立も似たり寄ったりである。
いずれにしても、今回の原発事故で、原発は沖縄の普天間基地のような問題になってきた。ただ、普天間基地と違うのは原発は海外移設ってわけにはいかない。
ただ、少なくとも福島原発については、その安全性が福島県議会でも問題になっていたし、国会にもあがっていた。それを東電が握りつぶしていたとも言う。当時は、民主党政権ではなく自民党政権だったから、そう考えると、自民党も民主党も、これまた似たり寄ったり。実に、困ったことである。