音楽には全く興味ないシティグループが英EMIミュージック全株式取得!! 今後はワーナーミュージックに売却も!?

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ビートルズや今井美樹、氷室京介、布袋寅泰、さらには韓国のSHINeeた宇多田ヒカルなど多数のアーティストが所属する「EMIミュージック」が、何と米国の金融・証券投資会社の「シティグループ」によって買収された。「シティグループ」は、投資会社の「テラ・ファーマ・キャピタル」が保有してきた「英EMIミュージック」の全株式を取得したのだ。
それにしても、これまで「音楽ビジネス」には全く興味を持っていないはずの「シティグループ」が「英EMIミュージック」の全株式を取得するなんて考えもみなかった。いや、これは実に妙な話だし、驚きと言っていいかもしれない。
「英EMIミュージック」の株式は、4年前の07年に、投資家のガイ・ハンズ氏が自ら率いる投資会社の「テラ・ファーマ」を通じて40億ポンドで買収した。しかし、その後の業績は一向に上がらず、ついには資金難に陥っていた。
この一件について、米ウォール・ストリート・ジャーナルの日本版は2日、次のように報じた。
「07年の企業買収ブーム時のこのEMI買収にはシティグループが資金を提供していた。ハンズ氏の買収のあと、EMIの業績は急速に悪化した。既に始まっていたCDなどに録音して音楽を販売する市場の落ち込みが加速し、金融危機によって強調融資(シンジケートローン)も不可能となる中で、シティグループは買収関連の約30億ドルの債権を抱えたままになっていた。EMIは融資条件を守るのに苦しみ続け、一方のシティグループは債務の再交渉には応じなかった。この件はニューヨークの裁判所に持ち込まれ、ハンズ氏はEMI買収はシティグループに騙された結果だと主張したが、陪審を納得させることは出来なかった」。
とにかく、ハンズ氏は、無茶苦茶なコスト・カッターとして知られ、EMIミュージックの経営についても
「ヒット曲がわかる耳を持っているという制作陣は必要ない。いかに、どうやったら利益を生むことが出来るのかという制作陣だけが必要だ」
と言い出す始末だった。こんな人間の下では誰だってモチベーションが上がるはずがない。
そう言えば、昨年は、ロンドンの「アビーロードスタジオ」【写真】を売却しようとして話題となった。いずれにしても、看板だったローリング・ストーンズや元ビートルズのポール・マッカートニーをはじめ、レディオ・ヘッドやQUEENまでもが次々に離れていった。これは、ハンズ氏の問題だろう。だいたい、ハンズ氏の傍若無人ぶりは漫画にもなっていて、ハサミだらけのシザーズハンズ姿で描かれた。
そんな状況だっただけに、EMIミュージックのロジャー・ファンクソン最高経営責任者(CEO)は、シティグループによる買収劇に「EMIミュージックにとって極めて明るいニュース」と述べ。その上で
「これによってEMIは少ない債務と相当な流動性を持つ、業界でも最も強力なバランスシートを持つ企業の一つになった。これに立脚してEMIは事業を前進させられると確信している」
とのコメントを出した。
しかし、シティグループはEMIミュージックの財務の体質を強化するというが、正直言って今後の動向は流動的だ。
ただ、「EMIミュージック」は、「レコード部門」と「音楽出版」を抱えている。しかも、ビートルズやコールドプレイのCDを出し音楽出版を握っている。何だかんだ言っても魅力的なレコード会社であることだけは確かだ。どうでもいいが、去年は「今や休業中の」宇多田ヒカルとも契約を結んだし、最近は、X JAPANの販売契約も結んでいる。
ま、そんな余談はいいとしてシティグループというのは音楽には興味がないというのが定説である。結局、財務体質を強化するとは言っていても、早期の売却を考えていることは明白。場合によっては「レコード部門」と「音楽出版部門」を切り離して売却することも考えるかもしれない。何でも「レコード部門」は500億円の売値がついている他、「音楽出版」については約1400億円を超える売値がついているなんていうし…。
実際に水面下ではワーナーミュージックやワーナー/チャペルなどに加え、ソニーBMGまでもが買収に向けて交渉に入っているとも言われる。もっとも、EMIミュージックの「レコード部門」に関しては、昨年来、ワーナーミュージックとの合併説が濃厚となっている。
洋楽に詳しく、「洋楽天国」というブログを運営している高橋裕二氏は
「ワーナーミュージックが売却や買収で雇った金融大手ゴールドマン・サックスとEMIについての話し合いに入るという説が有力」
と言うのだが…。