Archive for 1月 29th, 2008

生前、作家の百瀬博教さんが真面目に語った「日本」についての噺 (下)

火曜日, 1月 29th, 2008

★…世界の中で、アメリカに次いで戦争に強い国ってどこだか知ってるか?日本なんだよ。笑っちまうだろ。こんなにナメられてばかりいる国なんだからさ。
 日本の国防費をドルに換算するとドイツ、イギリス、フランスのそれより多いからなんだ。金があればいざ戦争という時に、どこからでも兵器をドッサリと買える…。それだけで中国を含めた東南アジア諸国が怖がっているわけさ。
 しかし円のレイトが下がれば下がるほど、フランスやドイツの国防費に抜かれて、すぐに世界で3位にでも4位にでもなっちゃう。
 しかも、考えてみればおかしな話だよ。いくら武器を買い集めても最後は使う人間のヤル気の問題なんだから…。少し前だったら、ソ連の軍隊の力は底知れないと世界中が信じていたけれど、今は総ての兵器の部品が揃わなかったりして、メンテナンスも目茶苦茶らしい。これじゃ、数えきれないほど戦車を持っていたって動かなければ、ただの鉄の固まりだよ。
 作戦も立てられない。首脳部なんか今では、第二次世界大戦を振り返って、どうして小さな島の1つでも奪っておかなかったんだろうってホゾかんでいるらしい。万が一、北海道なんかを取っちゃっていたら今頃、モスクワにいくつも蔵を立ててウハウハしていたに違いないんだから…。お金儲けの点では日本人は優秀過ぎるほど優秀だからね。
 でも、今の日本だって笑っていられないよ。敵が攻めてきたら3秒で手を上げちゃう。だって50年間一度として戦ったことのない軍隊と、どっちらけの国民しかいないんだから。
 だけど、自分の親や子供、恋人がやられたら一致団結するだけの精神を日本人が失っているとは思いたくないね。…でも、それだって日本の3分の2ぐらいを外国に取られてから気づいたって遅いんだよ。だいたい六本木、新大久保あたりは日本じゃなくなっているしね。オチオチしていられませんよ。
 ハンバーガーやコカコーラでハラを膨らませている日本の若者は、近いうちに日本はアメリカの1つの州になるだろうって思って、今からアメリカ人になる練習でもしているんだろうか。でも、アメリカは日本を州なんかには絶対にしないよ。万が一、日本人全体にアメリカの市民権なんかを持たせたら、白人の地位を揺るがせ、すぐに・元日本人・の大統領なんかが誕生しかねない。
 しかも、首都がワシントンでは日本から遠いからって、中間をとって「(ハワイの)ホノルルにしろ!」なんていうことになるかもしれない。もちろん極端な例え話かもしれないけど、そのことを一番分かっているのがアメリカの政府だから、アメリカは永遠に日本との距離を保っていくだろう。さっきも言ったけど、日本の国民は、それくらい優秀だってことだよ。
 しかも、日本ほどアメリカに忠実で尽くしている国は、世界のどこを探してもないはずさ。アメリカのGNPの7割は日本。日本にいるアメリカの兵隊1人あたりで割ると、年間1200万円ぐらい払っていることになる。用心棒代はきちんと取られているっていうわけさ。
 それに日本はアメリカに1200兆円ぐらい貸しているんじゃないの? もし、その金を返せなんてほざいた日には海上封鎖されて、米も肉も石油も手に入らなくなって、秀吉の水攻めに合った城みたいに国民全員が空腹でフラフラにさせられちゃうだろうね。
 もう、金は返ってこないってこと。所得が高い割に日本人が貧しいのは、こういったところにもある。そうそう、来年「東條英機」の映画が出来るんだって? いいね。でもさ、東條役が津川雅彦だっていうのが、どうにも許せない。芸は確かにあるが、東條のイメージじゃない。彼が石原裕次郎の弟役をやった「狂った果実」からオレは見ているけど、この役ばかりはミスキャスト。やっぱり東條役は役所広司ですよ。
 死と向かい合った時の東條英機の精神は学ぶべきものが多い。それなのに、その東條役が津川っていうんじゃ、日本の復活はまだまだ先の話になっちまうね。

生前、作家の百瀬博教さんが真面目に語った「日本」についての噺 (上)

火曜日, 1月 29th, 2008

かつては「石原裕次郎の用心棒」として名を売り、ここ数年は「プライド」など格闘技プロデューサーとして知られた作家の百瀬博教さんが亡くなった。その百瀬さんが生前、“日本”について「なるほど…」と言うような話をしていた。真面目に話してくれていた。その時の話を、せっかくの機会だから記しおいきたい。と言っても、メモを残していたのは、かなり昔のもの。何年前のものか? しかし、年月は過ぎても、中味はあまり変わっていないことに気づいた…。
因みに、百瀬氏は1940年(昭和15年)東京柳橋代地の侠客、百瀬梅太郎氏の次男として生まれた。立教大学を中退。19歳の時、東京・赤坂のナイトクラブ「ニュー・ラテン・クォーター」の用心棒となり故・石原裕次郎と知り合い深く兄事した。23歳の時に拳銃不法所持で逮捕、6年の服役。出所後は文筆も始め作家として活躍。主な著書に「僕の刀」「私の東京」「不良日記」「不良ノート」「不良少年入門」など十数作品あった。 

★…証券会社の崩壊が続いたことがあった。大きなところでは、三洋証券と山一証券だろう…。ただ俺は、何が起ころうとビックリしなかった。会社に尽くそうとか恩に報いようとするほど裏切られるのが今の日本だから。
 あの時、山一証券の社長なんか人前で泣いて、その顔が世界中に流されただけ羨ましい。俺なんか泪(なみだ)を見せれば総てが、そこで終わっちまう。だけど、山一證券が自主廃業したのと同じ頃だったか大声で泣きたいことがあったんだよ。
 それは、俺が十両、あんたは関脇と位置づけして何年も敬愛していたA(当時、F1チームを持っていたレイトンハウス元オーナー)が、猫ダマシよりももっとダサイ技を使って俺を哀しませたからなんだ。
 「全額じゃありませんが、明後日の午後、お借りしていたお金を返します」
 Aが、そう言った。5年間ヤセ我慢して待ってた金だったから「ああ、やっぱりAは男だ!」。「神様金運大明神様」と、大きなカバンを両手に持ってAの会社に行った。…すると、親しい社員が「社長は百瀬さんと喋った3時間後、刑務所に入りました」だもんね。
 「慌てるんじゃねぇ!いい乞食(こじき)になれねェぞ!!」が、父の座右の銘だから、子供の頃から教わっていたけれど、この時ばかりは大いに慌てたね。なんたって虎の子のウン億円なんだからさ。
 俺は「百瀬さん、昔の日本人は律儀でしたね。ボクは絶対に約束を果たします」なんて言っていたAを心底信じていたので大ショックさ。金が戻ったらアレもしよう、コレもしようと思っていたし…。
 それでも俺なんて、自主廃業した山一證券の社員7500人に比べれば、まだ幸せだよ。具体的事実において乞食になるんだから…。
 あの頃、山一證券、その前の三洋証券、北海道拓殖銀行の崩壊があって時、正直言って誰1人として動こうとしていなかった。これが日本じゃなかったら反乱や暴動が起こっているよ。でも、こんな最悪な状態でも一揆も暴動も起こらないというのは、国民を全く怒らせず反乱なんか起こす気持ちさえ抱かせない、無気力教育・を施(ほどこ)してきた自民党政府の力だったと思う。
 しかし「ムカつくから」「イライラするから誰かを刺したかった」っていう中学生は続々と現れる。ところが「親のため」「人のため」「国のため」「世界のため」に、それを危うくする輩(やから)を、自らの身を捨ててまでもブッ殺そうっていう漢(おとこ)は育てることが出来なかった。手前達がカネカネで汚ねェんだから、そんな漢を育てたりしたら危なくなる…。
 さっき「具体的事実で乞食になる俺はいい」って言ったけど、俺の恋人の父親なんか4万株も山一証券株を持っていた。これが、いい時は3000円もした。ところが、バブル崩壊後には800円になり300円になり、最後には4円とか2円。800円の時に売ろうと思ったそうだけど、自分の勤めている会社が大変な時に「一抜けた」と言ったんじ
ゃ会社への裏切りとなる。
 泣き泣き下がるばかりの山一株を抱えていたら、この始末…。もうお先真っ暗だよ。女房に「お父さんだけ醤油かけてご飯を食べなさい」なんて言われたらしい。会社を信じてコツコツと老後のために買ってきた株だったのにさ。
 日本人というのは、知らず知らずのうちに「俺んちは上流階級の生活をしている」んだって思い込まされてしまった。車なんて、どんなに凄い国産車を持っていたって、ニュー貧乏なのに…。家を買えないから車なんだろう。本当の金持ちだったら500万円ぽっちの車なんか見せびらかしたりしないで地下鉄とか公共機関を利用している。
 俺は、貯金なんて昔からないから銀行がどうなろうが平気だが、これからの日本に対しては一秒たりとも平気じゃない。
 別に危機感を煽っているわけじゃないが、10万円でもお金を持っていたら懐に持っていたほうが安心。日本は、これからもっともっと会社が潰れて殺伐となっていくと思う。それに対して「日銀特融」とか「公的
資金」の導入って簡単に言っているけど、その金っていくらあるんだろうね。ぜひ公示してもらいたいものだよ。