周囲の目を気にするかのように疑惑の黒幕「F」現る!(1)

ジャンパーの襟を立て、野球帽を深く被り顔を隠すようにして疑惑の黒幕「F」は現れた。
「いい席を取ることが出来たね」。
ドトールコーヒー2階の奥の席にFはホッとした表情をしたようだった。
席に座ると、テーブルに読みかけの雑誌「プレジデント」を置いた。
「またまた、こんな雑誌を読んで…。何か、興味のあることが載っていたわけ?」
「いやいや、ちょっと時間があったから買っただけだよ」
雑誌を手に取り「何を読んでいたの?」とペラペラとまくると、真ん中の特集のページに折り曲げた部分が…。フッとそのページを広げようとした途端、Fは僕から雑誌を取り上げて「まあ、いいじゃないですか」。
オイオイ!余りの素早さに、誌面を見損なった。チクショー。やっぱり、疑惑も疑惑、超疑惑で真っ黒の男だ!Fは!!
「ところで、西澤孝の名前が公表されたね」
「いいんですかねぇ」
「この前までは、捕まればいいって言っていたじゃない」
「それは、西澤が僕の名前を名乗っていたっていうから、被害届けを出そうかって思っただけ。永田寿康議員とは関係ないからね」
「確かに、Fは、西澤は偽メールなんて作成出来る能力なんてないって言っていたからね」
「そう。でも、西澤は『メールなんて渡していない』って言っているんでしょ。だとしたら、永田がウソをついているのかもしれないですよね」
「それはないでしょ。政治生命をかけているって言っていたもん。まさか、そんなこと嘘つかないでしょ」
「でも、渡したところを誰が見ていたのかな。証拠はあるの?誰が証明するわけ?証拠もないのに捕まるのかな?捜査するのも大変だと思わない?」
「なるほど、確かに証拠はないよね。しかも、永田議員と西澤では意見が違っている。民主党が被害届を出しても捜査は困難かもしれない」
「(ロス疑惑の)三浦和義だってそうだったじゃない。冤罪だっていうこともある。それに、例え西澤だとしても、メールを渡しただけで罪になるのかな。西澤は渡しただけで、それを利用して問題を大きくしたのは永田議員でしょ。その場合は西澤は被害者にだってなる」
「そう、全てを西澤の責任にしてしまうことは出来ない。でも、何か、以前より西澤を擁護していない?やっぱり、何かあるんじゃないの?」
「ないですよ、そんなの。僕の思ったことを言っただけ。ただ、西澤は何らかしら絡んでいたと僕も思うけど、メディアは、もっと慎重になるべきじゃないの?」
「それは、自分もターゲットにされているからね。Fだって実名を出されている。西澤の場合は、名前と同時に顔も出た」
「それが問題。犯罪者じゃないでしょ、西澤は。彼のことだから、報道を全てチェックしていると思うしね。後で訴えられたらメディアは全滅だと思うよ。片っ端から訴えることだって考えられる。そういった意味で慎重になるべきだったんじゃないかって。とにかく、証拠はないんだから」
「さすがは黒幕だけある!全てお見通し!確かに、証拠を出せ!根拠があるのか!目撃者はいるのか!って言われたら、困るかもね。だって、今回の場合、メールを手渡したか否かだけの一点だからね」
「黒幕っていうのだけはやめてよ!でも。裏取りは難しいはず。例え、証人喚問したって闇の中だと思うね」
Fとの会話は数時間に及んだ…。
つづく
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偽メール事件の疑惑の黒幕「F」の指定する喫茶店に…

いつもは、銀座の喫茶店を指定する「F」が、何故かきょうは渋谷。しかも、宮益坂の下のドトールコーヒー。
「業界の人に会っているところを見られるのはイヤじゃないですか」。
そう言っていたが…。
8時に待ち合わせ。15分前に着き待つ。
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テレビ朝日ですけど…なんて、どっか、怪しいんじゃない!?

偽メール事件の疑惑の黒幕「F」に会うため渋谷に。待ち合わせの時間より早く来たので、センター街をブラブラした。すると、いつもは気づかなかったものが…。
「テレビ朝日ですけど…」なんて声をかけてるニイチャンに遭遇した。何か「スペシャル企画」なんて書いてあるコピー用紙を見せている。しかも、声をかける女性のコンセプトが分からない。女子高生に声をかけたかと思うと、次はOL風の女性。あるいはコギャル風の女の子…。暇だったから15分か20分ぐらい見ていたんたんだけど、誰1人として引っ掛からなかった。もちろん、(テレビ朝日なんて声をかけてるから)足をとめる人もいたが…。「何の勧誘?」って聞いてもよかったけど、別にテレビ朝日の人間でもないし、興味本位に聞くのも何だし、「なるほど…」なんて妙な納得をして、その場を離れることに。
それにしても、「テレビ朝日です」なんて声をかけるにしたって、その風貌からして怪しい。引っ掛かる女の顔が見たかったんだけど。その場を離れたあと、それだけが心残りだったりして…。
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